So-net無料ブログ作成

ミクロオキシジェナシオン [海外のワイン]

先週まで二週間、フランス人のワインメーカーが研修に来ていたのですが、しきりに「ミクロオキシジェナシオンについてどう思うか?」と聞いていたのが印象的でした[ダッシュ(走り出すさま)]

ミクロオキシジェナシオンとは、赤ワイン果汁に微量の酸素を送り込む方法です。ほとんどの場合、発酵終了間近、または発酵後の果汁に対して行われる作業です。

写真のように、細い管を通して、タンクの中の果汁に酸素が送り込まれます。本当に「ミクロ」の酸素です。
ミクロオキシジェナシオン2.jpg

ミクロオキシジェナシオン3.jpg


ミクロオキシジェナシオンには、悪天候で葡萄が未熟であったり、収量が多すぎると発現するピーマン香を和らげたり、粗いタンニンに丸みを持たせたりする効果があります。

そして、世界で最も議論される醸造技術であるのには、他の技術よりも激しい二面性があるからだと思います。

以前、ミクロオキシジェナシオンを行ったタンクと、行わなかったタンクを飲み比べたことがあります。ミクロオキシジェナシオンを行ったタンクは、品種の個性が薄れてしまっている。タンニンが柔らかく、今すぐにでも飲める状態になっている。などの違いがありました。

「もし彩奈がミクロオキシジェナシオンを使うとしたら、どういうときに行うか?」とそのとき質問されました。例えば、葡萄が未熟な時。揮発酸が出てしまった時。単一畑の単一品種のワインではなく、ブレンドされるが熟成を待たずに市場に出したいワインに使う。それでも、日本には向かない技術だと考えました。日本のワインは、既にタンニンが柔らかいので、ミクロオキシジェナシオンを行う必要性はないと思います。

ミクロオキシジェナシオンは、ワインコンサルタントとして名を馳せるミッシェルローランによって、世界中に広められました。
映画モンドヴィーノで、悪役を買ったミッシェルローランですが、今も「熟成を待たずに飲めるパワフルな赤ワイン」で市場を大きく動かしています。確かに、ミクロオキシジェナシオンには、場合によってはメルロもカベルネも同じような味わいになってしまう、産地の個性も失われてしまいます。しかし、私は、一人の醸造家が、マーケテイングまでも影響を与えてしまうのは、やっぱりすごいことだと思うんです。
醸造家には、いろいろな姿があります。畑に毎日出る醸造家もいれば、ワインコンサルタントとして、世界を飛び回る醸造家もいます。何がいいか悪いかは、残念だけど、何十年も待ってみないと分からないものです。

一つ言えることは、ミクロオキシジェナシオンには、知識と経験が要ります。一度入れられた酸素は戻すことができません。カテナでも、ワインメーカーがテイステイングすることによって、的確なロットに、的確な量が入れられています。


ミクロオキシジェナシオンの量を定める機械
ミクロオキシジェナシオン1.jpg
メッセージを送る